目が覚めると、僕はまさおの家にいた。
迎えに来たのだろうか。本当にまさおは僕を捜していたのだろうか……
もしそうだとしたら、それは人生最大の驚きだ。
ここまで言う事ないかもしれないが、何せまさおは忘れもしないあの日、成り行きで仕方なく僕を飼うことになってしまったのだから。
昨日は初めて『街』に行って、新しい飼い主探しをした。
でも『街』には僕の飼い主になれそうな人はいなかった。
だからって、ずっとまさおに飼われているつもりは無い。
僕はまた飼い主探しをするつもりだ。
けど何だか最近ひどく寒いし、ちょっと面倒くさい。
だから暫くの間は、まさおに飼われてあげるとしよう。
昼頃に起きて庭に目をやると、丁度りぃも起きたところなのか欠伸をしながら伸びをしていた。
私は昨日の出来事を思い起こす。
いや、やっぱやめた。
昨日の出来事は、あまり良い思い出では無い。
空に向けていた視線をもう一度りぃへ戻す。
相変わらず、ちっとも可愛く無い。
どうして私は、りぃを貰ってしまったのだろう。
そもそもこれのどこが、血統賞付きの犬の子なんだ?
何処にでも居るような、ただの太った犬にしか見えない。
んー、しかしアレだ。
寒い。
今日も炬燵日和だな。
どうせなら一緒に炬燵で丸くなれる、猫の方が良いかもしれない。
……犬も炬燵で丸くなるんだろうか?
よし、今度試すとしよう。
その日。
男は半日炬燵で過ごし、犬は半日硝子越しにテレビを観て過ごした。
夕方。
男は服を着替え、靴を履いて庭に出た。
犬は男にリードを引かれ、門を出た。
いつもの様に、いつもの道を、男と犬は歩いて行く……筈。
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